伊藤由季さん

今回は札幌で切り紙アーティスト(kirigamiartist yuki)として活動をしている伊藤由季(ゆき)さんをご紹介します。

相手のエネルギーを感じ、全体のエネルギーを感じ、1枚の紙から出来上がる「模様」や「女性の姿」。そのカタチが、相手を願い、世界を祈り、丁寧に切り出されたものだというのは、作品を見れば分かります。※SNSでは作品を実際に切り出している動画も公開しています。

切り紙を始めたのは、ある日突然の事。

それまでは全く「切り紙」などした事はなく、とても不器用な女性なんだそう・・・。それがいきなり紙を切り始め、それがとてつもなく上手い訳ですから、周囲はとても驚いたそうです。

由季さんが制作した
作品の一部

切り紙

由季さんが以前勤めていた
乳児院(札幌市)に飾られています。

由季さん

出来上がった作品について私自身が感じるものは私こんなの作れてすごいでしょ~!』ではない。
『見て!この人の魂こんなに綺麗なカタチしてるの!』という感覚。相手と共振して生み出される作品が、すごく嬉しいんです。
パートナーシップの育みや、全ての人間関係が「命との出会い」っていうシンプルな所に行くんだろうなあ、と思いますが、作品を作る感覚ってまさにそんな感じなんです。

感じ取る力とインスピレーション、そして癒しと祈り。由季さんはそんな女性。とても可愛らしく、自由。でも、とても厳格で荘厳。そんな魅力あふれる切り紙アーティスト伊藤由季さんをご紹介します。

切り紙アーティスト伊藤由季さん(Kirigamiartist yuki)の活動

「切り紙」というのは、紙を切って何かの模様や形を作る事。「切り絵」という名前で活動をされている方も多いですね。即興で切り出して、黒い背景などでその作品を披露するような場面をテレビとかで見居たことがある方も多いかもしれません。

 

由季さんの「切り紙」の作品

中には、切り出す形を先に下書きする場合もありますが、由季さんがしている「切り紙」の活動は下書きをせず、相手のお話を聞き、エネルギーを感じ取り、それを丁寧に形にしていきます。

由季さん

私にとって、切り絵は「祈り」だと思います。でも、『こんなカタチにしたい!このカタチになれー!』とただ願うだけで紙がカタチを変える事はありません。
カタチをイメージして、ハサミをもって、実際に「切る」という行動をしなければ、カタチは生まれない。だからこそ、その過程全てに意味があり、全てがメッセージなんです。

この言葉は、お一人お一人を大切に感じ取り、1つ1つの工程を確認するように丁寧に向き合っているからこそ出るもの。

「紙」は「神」に通じます。そこにハサミを入れるって、ある意味許された人しか出来ないというか、巫女や修道女のような特別な存在、神に仕える存在のように僕には思えます。単に紙を切っていくのではなく、全体に許されて切り出されていく。

由季さんの切り紙のメニューは、以下の2つがあります。

  1. あなたの紋様
  2. 虹色の女神

2つの切り紙セッションは違う点があるので、それぞれを掘り下げてご説明させて頂きます。

①あなたの紋様

紋様展の様子
後ろに飾ってあるものが切り出した紋様

「あなたの紋様」というメニューは、それぞれの方から浮かびかがってくる紋様を切り紙で切り出すメニュー。

「紋様」とは・・・
調度・器物・衣服などの表面に装飾された図形。同じ図柄の反復繰り返しによって構成されるものをいうことが多い。模様。
goo国語辞典より引用

シンボルマークや図形などの「カタチ」が放つものと、それぞれの方が放つ「エネルギー」を合致させ、実際に切っていきます。

「あなたの紋様」を制作する場合は、オンラインや対面をしてお名前や生まれた日を聞きながらカタチをイメージして、切る過程を一緒にシェアしながら切り出します。料金は5500円、対象は男女OK。

 

実際に出来上がった
紋様はこんな感じ。

紋様展に展示された作品

過去には、100人の紋様切り出しチャレンジを1カ月で終わらせ、それを個展の場で展示するイベントを行ったこともあるそうです。

由季さん

紙の折り方や切り方によって出来上がるカタチは変わります。折ったり切ったりする際は、じっくりと撫でるように作業をしていきたいな、と思う人もいれば、さくさくと作業を進めていきたいな、と思う人もいます。人それぞれ。

「カタチ」というのは不思議。

「音(周波数)」を鳴らすと振動が起こりますよね。空気を震わせるから僕たちの耳が音をキャッチします。

実はその振動が作る「カタチ」は、音の高低(周波数の長短)によって以下の動画の様に変わるんです。

僕たちの内臓はそれぞれ固有の周波数があります。心臓は289.5Hz、肺臓は2028.3Hzなど。ドイツでは、内臓が持つ固有の周波数に戻していく事が「健康」であると考察し、治療を行う学問が確立しつつあります。※まだまだマイナーな医療。

全ての物質を構成する小さな粒子(電子や原子)は全て振動しています。

 

その振動によって「カタチ」が決まる。

それは、多分、神と呼ばれるような創造主がデザインしたもの。そのデザインは無限のカタチを生み出し、彩られ、実にキレイに調和しいていきます。

由季さんは、その固有の「カタチ(=エネルギーであり振動)」をキャッチして具現化しているのだと僕は思います。

②虹色の女神

虹色の女神由季さんの作品

「虹色の女神」では、それぞれが持つ美しさに焦点を当て、その人本来の美しさを切り出していきます。

由季さんが最初に切り出した作品を冒頭で紹介しましたが、それは女性が祈っている様子でした。由季さんは2010年ころから切り紙を始めましたが、ずーっと軸には「女性のカタチ」がありました。

ずっと浮かび上がってくる「女性のカタチ」を切り続けていましたが、ある時から、それぞれの方に照準を当ててカタチにするようになりました。それが「虹色の女神」。

料金は30000円(※料金は上がる可能性あり)。対象は女性のみです。

「あなたの紋様」と違う点は

  • 切り出すのは紋様ではなく女性の姿
  • 対象は女性のみ
  • 切り出した作品についての感想やフィードバックを伝え合う
  • 切り出すのは黒い紙
  • 募集が不定期である事※定期的な募集はしていません
  • インタビュー後は、タイミングが来ないと切らない
  • 手漉き和紙のミモザのカードor屋久島の葉っぱ和紙のカードをお付けしている

「虹色の女神」も下絵無しで、その時感じるままにカタチを作っていきます。特徴的なのは作品制作後の「フィードバック会」。

作品が出来た上で一体何を話すのか・・・と感じる方もいらっしゃると思いますが、切り出す際に、女神の髪の毛から切り出す場合もあれば、端っこの飾りから切り出す場合もあるそうです。その1つ1つの工程が全て意味があり、相手へのメッセージ。※工程に意味があるのは「あなたの紋様」も同じ。

切り出す際に由季さんが感じた事を伝えると、お客様の方で思い当たる節があったりするのだそう。


由季さんの投稿

切り出すだけでは終わらない。切り出す過程もすべてお伝えし、切り出しながら感じたメッセージをお伝えする事が「虹色の女神」というセッション。

由季さん

このセッションは、本当に不思議なことがよく起こります。切り出している時、無性に聞きたくなった歌があったのですが、よくよく聞いてみると相手の方が大好きな歌だったり。そのミュージックビデオの中に必要なメッセージが隠れていたり。

「虹色の女神」で大切にしているのは『私の意思や想像を越えて、大いなるものと繋がり、切らせていただいている』という事。
私の作品ではなく、私を通して出て来てくれたもの。そういう感覚です。

だから、気持ちが「切る」という方向に向かない限りは切りません。セッション後すぐに切る場合もあるし、少し間が空く場合もあります。それは「切り神様」が決める事、という感覚で切らせて頂いています。

由季さんが運営しているnoteには

という言葉が綴られています。

潜在意識とは、僕たちが認識できる領域の意識ではなく、認識できない無意識の領域だと考えられています。比率的には潜在意識の方が圧倒的に多く意識の領域の90~97%を占めていると言われています。

潜在意識のさらに根底には「集合無意識」という意識の集合体に繋がっている、とも考えられています。

集合的無意識

僕たちは個という存在であり全てでもある。由季さんが切り紙に込めている祈りには、そんな想いも込められているように感じます。

だからこそ、1つ1つの呼吸、動き、所作全てに意味があり、その1つ1つの工程によって作品が出来上がる。

それは1人1人が世界の平和を祈るような、皆の幸せを祈るような、そんな連動した想いを感じます。「神」のような何か高次の存在からのメッセージを、「紙」を通してカタチと言葉で伝える翻訳者のような印象。

由季さんのセッションや作品には、どこか神々しい光のような印象がありますが、そんな祈り、想いが込められているからだと思います。

由季さんのセッションが気になった方は是非以下の2つをチェックしてみて下さい!

由季さんが運営するnoteはこちら

由季さんのFacebookアカウントはこちら
※お申込みはFacebookから可能です。

て、本当に美しいセッションを提供されている事がお分かり頂けたと思いますが、実は由季さんは高校時代、自分の前髪を切ろうとして指をケガするほどの不器用な女の子でした。

そんな不器用な女の子が、なぜ、いきなり光に包まれた切り紙の作品を作るようになったのか・・・1つの所作に、1つの作品に祈りを込める切り紙アーティスト伊藤由季さんの今までの物語をご紹介します。

切り紙アーティスト伊藤由季さんの過去

由季さんは幼少期の頃、ツララから水がぽたぽたポチるのが好きだったり、土のべたべたする感じが好きだったり、ピアニストの幼馴染のお母さんの演奏に合わせて自由に踊ったり。

地球が奏でるものに魅かれたり、感じたものを表現をする事が好きな女の子だったようです。

他には絵本や音楽も大好き。でも好みはちょっと変わっていたそう。

由季さんの好み

絵本:シマフクロウ、アフリカの野生動物の一日
音楽:好きな歌が暗かった。例:Cocco 『 雲路の果て』(歌詞の中には「この目さえ光を知らなければ見なくていいものがあったよ」など

また、「見たい夢」を意識的に見ていた事もあったそうで、やはり少しスピリチュアル的な感覚が鋭い子だったんじゃないかなと感じます。

由季さん

「四季の国」に行く夢を何度も見てた記憶があります。春の国、夏の国・秋の国・冬の国があって。生まれた月の季節によって行ける国が決まっていて、厳格なルールによりどうしても境界線をまたぐ事が出来ないんです。

すごく不思議で絵本みたいなエピソード。しかし、由季さんの幼少期は「したいことをしない」「欲しいものを言わない」という自然と我慢をする子どもだったそうです。

摩擦

由季さんはお姉ちゃんと2人の弟の間に生まれました。

小学1年生の頃には父が働いていた鉱山が閉山。その後10年は国からの保証がありましたが、その状況をじっくり観察していた由季さんは、欲しいものをあまり言わない子どもに育ちました。

由季さん

したいことを両親にあまり言った記憶がありません。中学生の頃はバスケットボールをしていましたが、そのシューズの裏に大きな穴があっても新しいものを欲しいとは言わないほど。
そんな中でもピアノや小学講座「チャレンジ」など、楽しいと感じる習い事もあったのですが、姉が続かなかったため自動的に私も辞めることになりました。

自然と感性がシャットアウトされるような状況に陥り、閉ざし、由季さんは大人達を観察するようになりました。

由季さん


大人がして欲しい事は大体分かっていた子どもだったと思います。姉と母が喧嘩する事も多く、不機嫌にさせないためにはどうすれば良いか、などを考えていた事が多かったです。
小学生の頃には、サポートが必要な同級生のお世話役を任されるなど、先生には信頼されていたように思います。でも、その子の代わりに私が怒られたりした事もあり、無意識にストレスを抱え込んでいた様にも思います。小学生ながら円形禿があったので。

信頼が厚い由季さんは、5年生、6年生の頃には児童会長に。

人の顔を見ながら過ごした幼少期。周囲の環境によって「しなければいけない」という事が増え、そんな中でも、由季さんの純粋さを強く認識するような体験もありました。

純粋な祈りを体験

由季さん

小学生の頃、姉や友人とお世話をしていた野良猫がいました。でも、ある日姿が見えなくて。皆で探していると黒い影が茂みの中に飛び込んでいくのが見えました。そこに行ってみると、カラスにやられたらしき猫の亡き骸が・・・。

当時は子どもだったので「カラスは悪い奴だ」という思い込みが強く、友人たちと一緒に空に向かって「カラスなんて死んじゃえ―!!」と叫びました。


すると、その次の日から毎日のようにカラスの亡き骸を見かけるように。そんなにカラスの亡き骸なんてそんなに頻繁に見るものでは無いですが異常な程見かける日々。その為、友人と一緒に「神様、もう十分です」とまた空に向かって呼びかけました。

「黒い影」を見かけたのもまた、由季さんの感覚が鋭かったからだと思いますが、このカラスの体験を通して「純粋な祈りの影響力」を強く感じたそうです。

子どもの叫び、祈り、想いと言うのは、しがらみや固定観念が薄い為、その実現力って言うのは半端ないのでしょう。この体験が、今の由季さんの切り紙セッションに大きく影響を与えているように思います。

溜まる感情

純粋が故に自分を責め、周囲の目を気にし続けた由季さん。溜まってしまった感情は行く場所がなく、保育園に勤め始めた頃には心身症と診断されました。

心身症とは・・・

「心身症」は、特定の病気を指すのではなく、心理的要因が病気の発症に大きく影響する病気の総称です。心理社会的因子とは、言い換えれば「ストレス」のことです。
引用

その後は、実家へ戻り農家で仕事をする事で自然との繋がりの大切さを改めて感じることが出来ました。その後は札幌の乳児院で働き始めましたが・・・

由季さん

親元で暮らせない子たちの面倒を見る中でそれぞれの事情やこの先の将来などに想いを馳せ・・・。自分に出来る事をするだけだと思いながらも、壮大な想いが広がっていました。自分の域を越えた祈りや願い、闇のようなものなど、色んなものを感じました。

乳児院とは

さまざまな事情によって保護者との生活が困難な乳児を保護し、養育する施設のことを言います。

純粋が故に生じた摩擦。周囲への気づかいから生まれた摩擦と、全体から湧き出る壮大なエネルギー。

当然、1人の女性には抱えきれるはずもなく、1つ1つを消化するように、由季さんはある日突然、紙を切り始めました。

切り始めた

由季さん

ある日突然、祈っている女の子を作りたくなったんです。あの紙を使おう、あっちにあったはず、こういうカタチで・・・って不思議と全てが分かりました。全て降りてきたんです。祈りの言葉も。

言葉は日本語で降りてきたのですが、作品と合わせる時は英語の筆記体で書く、古い茶色の紙、というメッセージも湧いてきました。

外に出すことが出来なかった感情は、想いは、子ども達への祈りは、こうして初めてカタチを結びました。

由季さん

いちばん最初に作った作品は、全部わかったの。どこに何がある。あれを使ってやる。みたいに。
出来上がったカタチを見ると「何かが手に降りたった瞬間」みたいだなぁーといつも思います。

子どもたちを思って切った作品は寄贈しました。切り始めて数年で乳児院に寄贈したので、自分でもよく寄贈したなあ・・・って思います。(笑)


切り絵を始めてからは、自分の中の思いが外に出されていく感覚があって、自分自身の癒しに繋がっていたと思います。

 

寄贈した作品の一部↓

全体からの祈りと、由季さんの祈りが、1つのカタチを結んだような。

由季さん

生まれてきた子どもたちは、例外なく皆可愛い。自分の領域や祈りを越えた力を感じていて、そんな出会った子どもたちの為に切っていました。そして、自分自身の為に切っていました。

黒い紙を切り落としていく工程が、何か、浄化をしてるような感覚で、自分自身に溜まったものを綺麗にしていってくれているような感覚でした。「闇を切り落として美しいカタチになっていく」ような感覚。

切った後は思い切り踊っていたそうです。音楽に乗る事は幼少期にもしていた事。

ある時、海の中で踊っていた時には自分が過去世に修道女として一生を全うしたことがある、と感じたそう。

由季さん

海の中で踊っている時、過去世で「踊りながら海に入って沈んで生贄になった事がある」と思いました。人の為に生きてきた命、祈ってきた命だったのでしょう。

そのせいか、スピリチュアル系の方に出会うと、「自分を癒し楽しむことをして下さい」と言われる事が多いです。

全体の事を祈りながら自分の命を犠牲にする。それは究極の奉仕の姿だと僕は思います。でも、その体験が刻む傷というのも当然ある訳で・・・。

その傷を癒すように。

そして世界を祈るように。

それが由季さんの切り紙セッション。

由季さん

出来上がった作品は自分が一番感動しています!!!この手から生み出されるものに毎回私が感動している。それは私の域を越えたものだからだと思います。

いきなり切り始めたものだから周りは「え・・・」って感じで引いていましたが、周囲の方には「見えないもの」を大切にする方が多くて、この活動に対してストップを言われなかったのも素敵な環境だったなあと思います。

保育士1年目の頃にお世話になった恩師には、何か変なものに憑かれているわけではなくて、生まれたままのキラキラの魂に戻っただけだよ、と言われて「ああ、そうか」と思うことが出来ました。

切り始めてからは「その人の模様が切れると思う」と知人に言われて紋様切りを始めました。

由季さん

その後は「紋様ちゃんの行きたいところならどこへでも!」という思いで紋様旅に出ました。紋様を切りながら全国を旅をして回り、キャンプ場に泊まりながらたくさんの方に出会い、たくさんの不思議なご縁に導かれました。

スペースを提供して下さる方が現れて、切って・・・という事を繰り返しながら屋久島のリトリートツアーを目指しました。
初めての地の屋久島では泊るところも決めずに乗り込み・・・今思えば無謀でしたが・・・現地でも不思議なご縁で紋様を切らせて頂き、たくさんの方と出会いながら、色んなことを感じた旅でした。

そして許しへ

実は切り出しを始めて今に至るまでには、パートナーとの別れがありました。

由季さんは恋愛になると途端に「ちゃんとしなければいけない」というスイッチが入り、地に足を付けようと意地になるそう。

結婚をして出産をした頃には、自分らしさから大きくずれて、家族やパートナーとの関係が悪化し、精神的に強い孤立を感じた時期がありました。

由季さん

この時期は持ち前の自信や明るさなどは消し飛んでいました。出産の際には周囲に生まれた報告も出来ないような状況。

生む前に離婚は決まっていたのですが、もう一度やり直すような思考になり、頑張ってはみたものの・・・結果としてはお別れになりました。

壮絶な体験をしながらも、徐々に自分らしさを取り戻し、札幌の保育園で働き始めました。

職が決まってからは、不思議なご縁でワークショップに行き、スピリチュアルと現実的な部分のバランスが整い始めました。そして、働いてまだ期間が僅かだったにも関わらず主任として活躍。

また、潜在意識に関する講座も受講し、自分自身を深く知る事が出来ました。

 

2019年には、100人の紋様を無料で切り出し、作品展を決行。その際には屋久島で出会った「スペイン人のミュージシャン」がちょうど北海道に来ている時期と重なり、音楽のパフォーマンスをして頂いたそうです。

作品展の様子

個展の際には五感を大事にしてて
食事や踊りなども含めています。

由季さん

今は自分と繋がりながらセッションや生活をしてる感覚があります。今までは、周囲を責めるよりも自分を責めていました。自分が感じている事を受け取らず、自分を責めるように変換をしていた様に思います。

でも、モヤモヤや怒りなど、自分の中に感じるものを大切にし、「嫌だ」って事をしっかり感じて、それを受け入れて許す事を始めました。
自分は本当は何て言いたかったのかとか、小さな事に気づいてあげる事で、自分が自分を分かって上げれている安心感を抱き、生きやすくなったと思います。

聞きたい事を聞き、自分の生き方と職場との関係を調整して現実的な部分をしっかり構築するようになりました。

由季さんは、本来子どもの様に自由で無邪気な人。

しかし、大人達のルールに揉まれ、周囲の空気を察して「こうすべき」という厳格さが根付きました。それはラインがハッキリと引かれた厳しい領域。

その両方を行ったり来たりしてきた由季さんの人生は、まるでバランスを探るように収束をしてきたように感じます。それはハッキリと線が引かれていない季節の移り変わりのような自由さがある世界。

曖昧だけど確かに移り変わっている。とてもバランス感覚が必要なものだと思います。まるで「由季」というお名前のようだな、と僕は感じています。

由季さんは自分を犠牲にしながらも、切り絵としてカタチを作り続けてきた体験から、癒し、許し、自分を大切にしながら進み始めました。

そんな由季さんが描く未来のビジョンとは。


切り紙アーティスト伊藤由季さんの未来ビジョン

由季さん

子育ては1人では出来ません。シングルマザーの経験からそれは身をもって感じています。だから助けてもらいながら、お母さんが1人の女性に戻れるような場所を提供したいと思ってます。

同時に、子どもから溢れ出る感性をそのまま表現し、わくわくがいっぱい詰まった場所。


それは自然の中でアトリエ。そこに絵本があってアートがあって。五感を大切にした大人も子どもも集える場所を作りたいです。

それは奇しくも由季さんの幼少期のような環境。

音が鳴り踊りで表現し、絵本やアートに囲まれている。五感を目いっぱい解放し、全てを感じる場所。

由季さん

小さいころ、切り絵や版画や絵本、音楽など五感を心地よく刺激してくれるものに囲まれていました。

アートは特別なものではありません。

料理が好きな人はどうすれば美味しく見えるかな、お皿はどうしようか・・・そう考えるのもアートだと思うし、お掃除だってこの形が良い、みたいに皆それぞれの大好きの形、こだわりがあったりすると思います。それがアートだと思います。「上手く出来る」とかではない。


なので、「紋様切りお茶会」とかして、もっともっとアートを身近に感じてもらえるような事もしたいです。切り出していくのが気持ちいいって言う方がたくさんいらっしゃるんですよ。


紋様切りは基本さえ分かれば大丈夫。


今は折り紙の中でも本当に繊細な色がたくさんあります。それを自分の為だけに選び取り、撫でて自分にしみこませていく。

「お花になーれ!」でお花の形にはなりませんから実際に行動しないといけない。どっちに切りたいか、という自分の思いを受け入れ、行動に移す事で自分らしい作品が出来上がります。

そういう1つ1つの過程が切り紙にはたくさんあります。その小さい決断が日常の中の決断とリンクしていくと思います。

自分自身が思描いた「ありのままのカタチ」を実現していく。それが「自分らしくて良いんだな」という自分への癒しや許しとなると思います。

「もう二度としっかりしようとはしない!」と宣言する由季さん。海外でも切り紙をしたり、移住や旅をしながら切り紙をしていくことも視野に入れながら、今を目いっぱい感じて楽しんでいます。

募集をかけたらすぐに枠が埋まってしまう切り紙アーティスト。気になる方は要チェックです!

伊藤由季さんのFacebookアカウントはこちら